今回も前回同様、映画『Call Me By Your Name』より。
futile devices(作詞作曲:Sufjan Stevens)
この曲は、Sufjan Stevensが2010年に発表した曲だが、
その歌詞はまるで本映画のために作られたように、主人公エリオの心の内を表した一曲になっている。
エリオは、日々オリヴァーへの気持ちを募らせるものの、言葉にすることができない。だが、素直になれない気持ちとは裏腹に、まるでオリヴァーの痕跡をたどるように体が動き出してしまう。思いを伝えようと決心したその日、オリヴァーはいつまでたっても帰らなかった。帰らない想い人を待ちきれず、夕暮れの森で彼の姿を待ちわびてしまったり、部屋に戻っても、なかなか寝付くことができない。
たった一言、「愛している」と伝えられればどれほど楽だろう。
本エントリーは、そんなエリオの気持ちを想像しながら、和訳を試みた。
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It's been a long, long time
Since I've memorized your face
貴方の顔を思い出してから、もう随分経つ
It's been four hours now
Since I've wandered through your place
貴方がいた場所をうろうろと歩き始めてから
今、4時間が経過した
And when I sleep on your couch
I feel very safe
貴方のソファに寝ころび、目を閉じると
とても安らげる
And when you bring the blankets
I cover up my face
貴方が毛布を持ってきてくれたなら
顔まですっぽりとくるまろう
I do Love you
I do Love you
生涯、貴方を愛することを誓います
生涯、貴方を愛することを誓います
And when you play guitar
I listen to the strings buzz
貴方が奏でるギターの
弦が弾かれるたびに雑音が混ざる音色に耳を傾ける
The metal vibrates underneath your fingers
弦を抑える指の下で、金属が震えている
And when you crochet
I feel mesmerized and proud
そんな貴方の指先が、編み棒を操るとき
心を奪われ、誇らしく感じる
And I would say I love you
But saying it out loud is hard
So I won't say it at all
And I won't stay very long
貴方に愛していると言いたい
けれど、大きな声で伝えるのは難しい
だから結局、伝えることは叶わない
いたたまれなくなって、逃げ出したくなる
But you are life I needed all along
I think of you as my brother
Although that sounds dumb
でも、貴方は私がずっと求めていた命の片割れそのものなんだ
愚かに思われるかもしれないけれど
貴方のことを、まるで血を分けた存在の様に近しく感じる
And words are futile devices
言葉なんて、無意味な道具でしかない